アメリカには患者様に快適な「口腔環境」を提供出来るように専門が細かく分かれており、一般歯科の他、矯正歯科、歯周治療専門医、口腔外科などがあります。アメリカの歯科医師は圧倒的に開業医が多く、経営者として働くのが特徴です。
アメリカで歯科医師として働くためにはアメリカ歯科医師国家試験(NBDE)をパスしなければいけません。全て試選択問題になっており、コンピューター上で受験します。日本からの受験できなくアメリカ国内にある試験会場で受験しなくてはいけません。日本から一番近くの試験会場はグアムです。DENTPINという個人番号を取得し、その後「American Dental Association」に登録をします。登録には日本の歯科大学卒業証明書や成績表が必要です。登録完了後、NBDEの受験申請ができます。
日本の歯科医師国家試験は、引っかけや禁忌肢問題がありますが、NBDE試験は単純な問題であり、過去問題や問題集で練習すれば合格できる試験です。広く浅く勉強したほうがよく、過去問、問題集、電子書籍版の問題集等をやりこみましょう。
アメリカで歯科診医療や医院開業に挑戦してみたいとお考えの歯科医師やこれから歯科医師を目指す方に、アメリカでの歯科医師免許合格のポイントや、歯科医院開業のために必要な事は下記となります。
アメリカの歯学部は大学院の位置付けであり、入学する為には通常の大学学部を卒業してからです。トップクラスの成績優秀者しか合格できないほどの難しさです。入学は非常に難関で人気のある競争の激しい分野です。入学できたら、そこから4年間、在学中の授業料・生活費を考えるとかなりの資金が必要となります。入学の難しさ、通学年数、金銭面からかなりの負担があります。
アメリカの歯学部で編入制度を行っている学校に途中から編入する方法です。通学年数は2年と短く、期間的な負担は少ないです。歯学部を卒業と同時に「歯科医師」と名乗ることが可能ですが、診療は米国歯科医師国家試験(NBDE)に合格しないとできません。合格後はアメリカ全州で診療できるのではなく、働きたい州でSBDEという試験を受け、合格した州でのみ診療が可能です。
専門医コースのメリットは、1つの専門分野に特化して深く学ぶため、分野によってはかなり年収が高くなります。ですが、選考審査が厳しく、「TOEEFL」での一定水準以上の点数や入学前に「NBDE」の合格を求める場合もあります。(卒業までに合格するようにとの指示の場合もあります。)専門医は、指定された6州(〜州)でしか歯科医師として働けないという制限があります。
アメリカで歯科医師として活躍するためには、手続きや歯科医師試験に合格する為のそれ相応の努力は必要です。また努力して取った免許を使って歯科医師として働く為には最も必要なビザ取得を事前に考えて行動しないといけません。
頑張って時間と費用をかけてアメリカの歯科医師免許を得たとしても大問題なのはビザです。外国人が歯科医師免許を取得しても、アメリカに永住して歯科医療ができる訳ではありません。アメリカ人と結婚又は抽選で永住権を取得できた場合はよいのですが、それ以外で永住できるビザを取るのは現状況ではかなり難しい状況です。実際に日本人歯科医師がアメリカに語学留学や研究留学中に歯科医師免許を取りしばらく働いていたのですが永住権が得られずに日本に帰国したケースが数多くあります。
どの道でアメリカ歯科医師免許を取得するかとビザをどのようにして取得するかを同時進行で行う事が肝要です。